整形外科と災害外科
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当院での舟状骨偽関節に対する治療
村岡 邦秀尾上 英俊木村 一雄斉田 光林 武野田 大輔
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2011 年 60 巻 1 号 p. 72-75

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抄録

舟状骨偽関節に対して手術治療を行い良好な経過を得たので報告する.1995年~2009年までに手術治療を行った舟状骨偽関節14例のうち3ヶ月以上経過観察できた11例を対象とした.性別は男8,女3例で手術時平均年齢は34歳であった.受傷から手術までの期間は平均166日で,平均経過観察期間は14ヵ月である.手術はまず偽関節部の掻爬を髄腔内まで十分に行い,1辺のみ皮質骨を残した長方形の腸骨ブロックを採型しておく.次に髄腔内の陥凹部に海綿骨チップを充填し,腸骨ブロックの皮質骨側を掌側に向けて打ち込み棒で間隙に打ち込む.最後にAcutrakまたはHerbert screwで内固定を行う.術後は2~4週のthumb spica cast固定を行い,適宜装具を装着させた.全例で良好に骨癒合し,疼痛や手関節の可動域制限などの臨床症状は認めていない.

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© 2011 西日本整形・災害外科学会
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